【健康食品・化粧品】美容健康商材の広告で見られるコンプレックス訴求

私が広告制作を始めたのは、コンプレックス訴求がきっかけです。

体型、バスト、体毛、肌質、肌の色、髪質など、もともと自分の容姿や身体にコンプレックスが多数あり、コンプレックスを煽った広告に腹立たしさと同時に、悲しさを感じていました。

健康食品やサプリメント、化粧品といった美容健康商材の一部の広告では、コンプレックスの改善策として商品を薦める場合があります

このような広告を少しでも減らして、気持ちよく買い物ができるようになって欲しい一心で、管理栄養士兼セールスライターとして活動を始めました。

今回は、コンプレックス訴求の現状や、消費者・広告媒体の動きについてお伝えします。

コンプレックス訴求とは?

コンプレックス訴求とは、身体的特徴などをネガティブにとらえ、不安を煽って購入に繋げるセールス手法です。

「デブ」「ハゲ」「ムダ毛」などの言葉が使われていたり、容姿が原因で日常生活で嫌われたり馬鹿にされたりといった 過剰なストーリーを挟みながら不安を煽り、解決策として商品を薦める広告… 見たことがある方も多いのではないでしょうか?

不安を煽って、危険を回避させるために購入させる方法はさまざまですが、その中でも劣等感を刺激している点がコンプレックス訴求の特徴です。

コンプレックス訴求の広告はなぜ減らないの?

コンプレックス訴求の広告が減らない理由として、下記の3点が考えられます。

  1. コンプレックス訴求を禁止する広告媒体が少ないから
  2. 商品や広告が乱立する中でも目立たせたいから
  3. コンプレックス訴求は反応が出るから

1.コンプレックス訴求を禁止する広告媒体が少ないから

広告審査通過のためには、薬機法・景品表示法への配慮が求められますが、多くの媒体ではコンプレックス訴求については広告審査の規制が少なく、通過してしまうのが現状です。 (※後述のヤフージャパンは規制あり)

2.商品や広告が乱立する中でも目立たせたいから

新規参入が増え商品や広告が立ち並ぶ中で、見てもらうための手法として強い言葉や刺激するストーリーが使われます。

3.コンプレックス訴求は反応が出るから

コンプレックス訴求は反応が出るため、続けている場合もあります。「どういうこと?」とストーリーが気になってついクリックしてしまう、自分のコンプレックスを刺激されてつい見てしまう…PV数が稼ぎやすいため、コンプレックス訴求が使われる場合があるのです。

消費者はどう思っているの?

コンプレックス訴求に対する消費者調査は少なめですが、日本広告審査機構(JARO)が2021年に発表した2020年の広告の苦情件数はなんと1万5100件。前年比120.9%です。

さらに注目したいのは、業種別の苦情件数です。

  • 1位 デジタルコンテンツ等
  • 2位 健康食品
  • 3位 化粧品

コンプレックス訴求だけとは限りませんが、美容健康商材への苦情が多数寄せられているのです。

【参考】

JAROへの苦情件数が過去最多に 在宅時間が増えデジタル・通販関連で増加

さらに、株式会社ネオレアが行ったアンケートでは、学生の91%がコンプレックス訴求の広告を不愉快に感じると回答

ジェンダーや多様性への教育が広がり、消費者の意識が変わる中、コンプレックス訴求の広告は時代錯誤ともいえます。

【参考】
【91%が不愉快と回答】どんどん過激になっていくSNS広告。若者は外見コンプレックスを取り上げた広告をどう感じているのか?〈実態調査〉

Z世代はコンプレックス広告に不快感

株式会社N.D.Promotionの調査によると、Z世代(1995年以降生まれの若年層)は、おしゃれ感・トレンド感のある広告に興味を持つ一方、不安を煽る広告表現を好まない(苦手意識)傾向があることが分かっています。

【参考】

Z世代が“好む広告表現”と“苦手な広告表現”とは?〜Z総研トレンド通信Vol.21『広告』〜

Yahooは2020年に広告におけるコンプレックス訴求を禁止

ヤフージャパンは、2020年よりコンプレックスを露骨に表現した広告の出稿を禁止しています。

身体的特徴をコンプレックスであると表現することは、差別意識を助長するとして、広告が規制されているのです。

【参考】
コンプレックスに関する表現の広告審査について(YAHOO!JAPAN広告)

気持ちよく買い物ができるように

差別意識にも繋がるコンプレックス訴求は、広告審査に関わらず意識していきたいですよね。

「反応が取れるなら、消費者を傷つけても良い」と思う人は、本当は少ないはずです。

形のない言葉ですが、言葉ひとつで傷ついたり、簡単に信頼が崩れたりします。
さらには、築き上げたブランドイメージまで損なってしまうことも。

言葉で心を痛めることなく、気持ち良くお買い物ができるように
傷つく広告が一つでも減らせるように、 広告を制作いたします。

煽らない・品位のある広告を制作いたします

企業のブランドイメージを守り、品位のある広告で売れるために
LP・チラシ・メルマガをはじめ、広告制作を行っています。

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